81回目:あなたが死んだ後、ダウンロードした音楽はいったい誰のモノなのか!?

ブルース・ウィルス氏は死後のアップルストアにある「音楽」の所有権を主張しないと思うが、一つの疑問が残る:もしあなたが天国に行ってしまったら、ダウンロードした「音楽コレクション」は一体どうなるのか?

最近、ブルース・ウィルスが死後のアップルストアにある「音楽コレクション」の所有権を主張しようとアップルを提訴するという噂を英国のタブロイド紙が報じるようなことがあったが、ソース元はフィクションであり、その後エイプリルフール用のネタだったとの報告もあった。(その朝、ブルース・ウィルスの妻もTwitterでガセネタだと呟いたという)


それにしても、心残りなことが一つある。それは、「消費者がダウンロードしたデジタルコンテンツは死後どうなるか」という疑問だ。(ネタバレ注意:ダウンロード型コンテンツの場合、それを買っても、それを所有していることにはならない。つまり、購入者が好き勝手できるワケではない。

実際に、Webサイトのサービス、またはアプリの利用契約を読んでる人は数万人に1人ぐらい。多くのユーザーは利用確認画面の一番下にスクロールして、「同意」ボタンをポッチっと押すだけだが、そこに「そのデジタルコンテンツ」の所有者(所有権を持っている側)が明記されているんだけど...

(執筆時点ではアップルが営業時間外だったため、応答できなかったという。)

仮にアップルに問い合わせたら、「利用契約は利用者が他界した時点で終了(満了)し、そのアカウントで購入した如何なるコンテンツも他人に譲渡してはならない」と返答するだろう。つまり、もしブルース・ウィルス氏が事前にそのアカウントを娘さんに託し、死んだ後に家族にアクセス権を与えるようなことがあったら、その娘は合法的に音楽が聞けないということになる。

デジタルコンテンツと実物の違い

本来の論点は:"デジタルコンテンツ"と"物理的に存在するモノ"に違いがあってもいいのかという点だ。

つまり、皆さんが"TSUTAYA"から"CD"を買った場合、皆さんはその"CD"を所有していることにはなるが、"音楽そのもの"の所有権を持っていることにはならないのだ。

(デジタルコンテンツの方がもっとエグい、購入してもコンテンツは物理的に存在しないため、なんの所有権もない)


何事も細部に落とし穴が隠されており、アップルは下記のように説明している:





アップルの利用契約は上記のように書かれているが、AmazonやGoogleの利用契約にも多分、購入した音楽(デジタルコンテンツ)で何ができるかといった同じ類のことが書かれている。


結局のところ、AppleのiTunesや他のオンラインストアというのはただの仲介役にしかしぎない上、彼らはレコード会社や映画配給会社と自分たちの都合が良いように契約を結んいるのだ。

今のところ、我々ユーザーは黙って「同意」しなければならないのだろうか?それとも、何かアクションを起こした方がいいのか?


多分、AppleのiTunesストアをはじめとした多くのオンラインミュジックストアはレコード会社などとまとめてライセンス契約しているから、歌手や作曲家に収入があまり入らない仕組みになっているんじゃないかな。なので個人的には、もっとフリーランスで音楽活動しているミュジシャンが増えることを期待していて、そのための土台を作らなきゃいけないと思う。実際のところ、音楽のデジタル化が音楽業界にもたらした影響は、レコード会社というよりもミュジシャンの方が深刻なのではないのでしょうか?